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熟年夫婦の危機(専業主婦53歳)

熟年夫婦の危機(専業主婦53歳)

管理職の夫(58歳)を持つ専業主婦の妻A子さんが離婚したいと相談に訪れた。息子と娘が結婚して家を出て、夫と二人だけの毎日になった。夫は仕事以外は無関心で、休日は家で新聞とテレビを見て過ごし、頼めば買い物に付き合う程度だ。もうすぐ定年になる夫との生活に耐えられそうにないという。
話を聞き、離婚するかどうかは三ヶ月後に判断するように勧めた。その間に①夫の長所、好きなところを毎日ノートに書く②心の整理のためにアルバムを新しくし、思い出のコメントを記す。を実行してもらうことにした。

三ヶ月間、計八回のカウンセリングを通してA子さんの気持ちは一変した。改めてノートに記してみると今の夫も、好きだったころの昔の夫も何ら変わっていないことが分かった。無口で誠実、まじめだし、裏表がない。そういう性格が好きで結婚したのだ。好きなことは草花のスケッチ。結婚を決意したもの、夫がくれた草花の絵手紙がきっかけだったと思い出した。「夫の悪いところばかり見て嫌になっていた。変わったのは夫でなくて、私だった。」

結婚し、仕事を辞めて、子育てをし、その後はパート勤務。損な役回りだけを負わされてきたようにA子さんは感じていた。そんな不満を夫のせいにしていたと気づいた。離婚はせず、むしろこれからの充実のために夫婦で一緒にカウンセリングを受けることになった。夫にも妻と同様の提案をした。①妻にしてもらったこと②してもらっていること③してあげたかったけど、していないこと、を毎日書き留めてもらうことにしたのだ。

今、二人は第二の新婚時代のように仲良く過ごしている。「定年が楽しみです」とそろって笑顔を見せる。自分の不満を相手のせいにし、責めて、関係を悪くしているの夫婦は多くいると思う。お互いに、自分の見方を変えてみると、幸せな日々と変わらない相手がそこにいることに気づけるだろう。

中1から不登校の息子が、不登校をチャンスに成長しました(母親42歳)

中1から不登校の息子が、不登校をチャンスに成長しました(母親42歳)

一人っ子の一郎は中1の2学期から、急に腹痛が起き下痢になることを理由に学校に行かなくなり、面白く ないことがあると暴れ、母親の私に暴言を吐いたり、手を出したりするようになりました。自分達ではどうしようもないと思い、新聞で見つけた「不登校・引き こもり早期支援講習会」へ夫婦で参加しました。一日中家にいる息子を見ると、つい急かしたり、ため息をついた りしてしまう私に、学校に行かなくても、行っても一郎君にある素晴らしさは変わらないのですから、毎日、一郎君の長所、好きなこと、夢を書き続 け、心からそう思えるようになって下さい。そうなると、家にいる一郎君を見ても、この子は大丈夫、必ず自分から一歩踏み出していく、と見守れるようにな りますから。と説明され、カウンセリングシートを毎日書き続けました。

1ヶ月経った頃、一郎をカウンセラーに会わせると、「礼儀正しくて、気持ちの良い青年ねー。」と認めてもら い、毎週カウンセリングに一人で通うようになりました。好きなことや自分の辛い気持ちを話し、理解してもらえるようになると、「朝起きれるようになりた い」「イライラしても爆発しないでいれるようになりたい」と今の生活を改善したいという思いを持つようになりました。
夫もせっかく学校を休んでいるのなら、学校ではできないことに挑戦しようと、平日に仕事を休んで、釣りやスキー へ連れて行ってくれました。1年後の夏には、北海道でのサイクリングキャンプへ一人で参加し、5日間数百キロを完走しました。完走できたことが大きな自信 となり、又中学生の自分が小学生より遅れてゴールしたことで、体力をつける必要性を実感し、その後は毎日自転車での体力づくりを始めました。冬はスキー ジュニア2級を目指し、合格、釣りのジュニア4種目にも挑戦し、1位になりました。

この頃から「将来スキーを教えるのに、高校ぐらい出ていないとヤバイかなー」といい始め、学校見学へ行くようになりました。スキーの強い学校を見つけてきて、受験し、釣りの能力が認められ特待生で入学しました。

一郎は「お父さんのことを尊敬している」と言っています。一郎が不登校になって最初の数ヶ月は不安で一杯でした が、カウンセリングを通して、一郎の素晴らしさに気づかせてもらい、何よりも一郎が自分で自分の人生を選択し、成長して行ってくれた ことが何物にも代え難い、宝物です。

感情的、支配的な父親を恐れる27歳長女

感情的、支配的な父親を恐れる27歳長女

会社員の夫(54)がいるパート勤務のA子さんが娘のB子さんのことで相談に来た。子供の時は勉強もよくできたが、高校時代から元気がなくなった。大学卒業後に勤めた会社も退社。ここ1年は自室で、昼夜逆転の生活を送っているという。

翌週B子さんから話を聞いた。「子供時代、父親の一方的な言葉がいつも怖くて、それを止めてくれなかった母親にも甘えられなかった」。怒られないよう一生 懸命勉強も頑張った。でも高校生のころには限界に達し、もうどうでもいいやと思い始めた。「親と顔を合わせないように昼夜逆転の生活をしているのです」と 打ち明けてくれた。

何回かカウンセリングをした後、家族で2泊3日の温泉旅行に行ってはどうかと提案した。目的はまずB子さんが父親の子供時代のことなどを聞くこと。そして両親はB子さんの子供時代の気持ちを聞くことだ。

旅行後のカウンセリングにB子さんは晴れやかな表情で現れた。B子さんと同様に、父親も祖父を怖がっていたことが旅行中の会話で分かったからだ。祖 父は陸軍の軍人で家でも一方的な命令口調だった。「そんな祖父が大嫌いで父親は何度も家出をしようとしたようです。結局、父親は自分の親の大嫌いなことを 私にしているんですね。お父さんも私と同じように辛かったのだ。そのことが分かったら反感が消えました」

それから毎日のように、夜、両親とお茶をしながら自分の気持ちを話すようになり、一ヶ月後にはイライラも怒りもなくなり、親子の信頼の絆も回復し、再就職もした。
人 はストレスが多い時、疲れている時、経済的に苦しんでいる時などに、自分が育ってきた時の大嫌いなことをしてしまう。その結果、している方もされている方 もお互い辛いことを共有している。そのことに気づくと、お互いに相手の気持ちが分かり、責めていることを許し、より深い信頼と愛情が回復してくる。

できの良い姉を比べられ続け意欲のない大学生の息子(23歳)

できの良い姉を比べられ続け意欲のない大学生の息子(23歳)

塾講師のA子さんが大学4年の長男の意欲の無さで相談に訪れた。A子さんの家庭は、53歳の国家公務員の夫と25歳の長女がいる。長女は子どもの時から活発で、国立大を卒業して、今米国の大学院に留学中。一方、長男はスポーツも習い事も続かない。大学4年にもなって就職活動もしないで、漫画とパソコンばかり。このままでは将来が心配ですと訴えた。

翌週、A子さんは長男を伴ってカウンセリングにやってきた。彼は「出来の良い姉にずっと比較され、『お姉さんに比べて弟さんはね…」と言われ続け、自分は何の取りえもない。こんな自分は自分でも嫌だけど、やることも見つからないし、やる気がわいてこない」と自分の心境を話してくれた。
まずは長男に「あなたは自分の本当の姿、才能に気づいていない。親や周囲の人々が見せてくれた鏡に映った自分を自分だと信じさせられてきた」と伝えた。そして本当の自分を知るために以下の3つを試してもらった。①自分の長所、好きなこと、子どもの時から今まで思いついた夢を毎日ノートに記す②人生に関する三冊の本を読み、三本の映画を三回観る③今まで読んだ漫画の中で最も好きだったものを三つ選んで、好きな理由を考える。

これらを試しているうちに彼は自分自身のことを冷静にとらえ直すこおtができてきた。正義感が強く、社会の為に働くことが好きな人間であることに気付き、大学を卒業してもすぐに就職せず非政府組織(NGO)で国際ボランティアをすることにした。

親は我が子を見るときも他の子と比べてしまう。部活動や学校おの成績などが優秀な周囲の子どもについ目が奪われがちだ。幼いころから他人と比べられ、自信を失った子どもが立ち直るのは簡単ではない。子どもの個性はそれぞれ。親は一人一人の子どもをそのまま受容し、我が子の優れた点に気付いてあげることが大切だ。

父親学校から人生の再出発

父親学校から人生の再出発

二年前の夏、妻が私と4人の子どもをおいて、家を出ていった。そのとき私は自分の身にいったい何が起きいたのか全く理解することができず、残された子ども達とともに出て行く妻の後ろ姿を呆然と見つめることしかできませんでした。

それから毎日、毎日「なぜなんだ?」「私はそんなに悪い夫だったのか?」「私のどこがいけなかったんだ?」と自分に問い続け、今までの出来事を一つひとつ検証し、自分を責め立て、思い悩み続けました。食事も喉を通りません。体重も2ヵ月で、10キロ減り、身体を支えていることがやっとの状態でした。職場でも身体がガタガタと震え続け、まともに自分の椅子に座っているとことすらできませんでした。髪の毛もずいぶん抜け落ちました。「なぜこうなったのか、こうなった原因はなにか?」理解ができないままに3ヵ月が経ち、精神的にも体力的にも限界でした。そんな時に荒木先生のカウセリングを受ける機会を得ることができました。何回かのカウンセリング後、先生から「父親学校」が開講されるので出てみないかとお誘いいただいたのです。

 先生曰く「・・・今の社会が抱えている家庭夫婦問題の多くは父親の生き方に起因している・・・」「仕事に生きるだけでなく家庭での夫、父親の役割をしっかり見つめ、リーダーシップをとれる男が求められている・・・」「本当の愛とは、愛するとは・・・、夫婦のコミュニケーションとは・・・」痛い!私はサラリーマンとして真面目に会社で働き、仕事に没頭する日々を送っていました。毎日遅く帰り、朝早く出社、時には休日返上をして働きました。しかし弁解するわけではありませんが、決して自分のために働いている意識はありませんでした。「妻のため、よき夫として、子どものため、よき父親になるために」といつも心に念じていました。だから一生懸命働きました。でも家庭のこと、子どものこと、母のことは妻にまかせっきりでした。夫婦として落ち着いてコミュニケーションの時間を持つこともなく、またその努力もしませんでした。「言わなくても分かってくれている、夫婦だから」と考えていましたから。

5回、6回と回を重ね受講するうち、私の中で何かが少しずつ変わってきました。

今までの妻や子どもに対する私の態度は「夫として、父親として」なんと時代遅れで、自分中心的な一方的な考え方なのか、自分の正しさを主張するだけで、私がよかれとしたことを認めさせることに終始し、妻や子ども達に現実にどのような思いをさせ、感じさせてきたのか全く理解しようともせず、話も聴こうともしなかった。妻を「愛している、認めている」と口にしながら、心の奥底で「一人の個性ある人間として、女性として」認めず、子どもを「愛している」と言っては自分の所有物として常にコントロールしてきました。気にくわなければ「躾け」と称してすぐに怒ってもきました。しかし先生のお話を聴くことによってこの愚かさに気がつくことができたのです。ある夜、突然に「あぁ、すまないことをした・・・」と天を仰いだ途端に、涙がぼろぼろこぼれ落ち、止めることができませんでした。この時から私は「考え方と習慣を今すぐに切り替えないといけない。妻や子どもに申し訳ない、何より自分が人として恥ずかしい。」と考えるようになりました。そして今までの生き方を180度変えよう!と決心しました。

その他にも心の中に大きな変化が生まれました。私は両親から厳しく育てられたため、自分で自分の感情がわかりません。人の世話は一生懸命しますが、自分の世話をすることができませんでした。でも、授業で自分の経験、思い、本音を他の受講生の皆さんに聴いてもらい、逆に他の人の経験や思いを聴くことによって今まで感じたことのなかったあらゆる感情が素直に私の中にこみ上げてくるようになったのです。

また「自分を大切にすることができないから人を大切にできないんだ。だから妻や子ども達を本当に大切にできなかったんだ。」とも気づきました。そのために「人は自分を愛すること、大切にすること、自分の感情に正直に生きることが大切なんだ」と考えるようになったのです。今は離れて暮らす妻にも、そして子ども達にも「自分に正直に精一杯生きて欲しい。そして幸せになって欲しい」と願えるようにもなりました。

これも「父親学校」に参加させていただいたおかげです。心から感謝をしています。 (でも、もう少し早く、家庭が壊れる前に、受講していたらと思うと重ねがさね残念です。)まだまだ学び、心を入れ替え、身につけて実践することがたくさんあると思います。少しずつですが人生のソフトを入れ替え続けていきたいと思います。

最後に、今日も「さて、どうしたらいいのか?」と模索しながら4人の子ども達と自分に、正面から向き合う努力をしています。